最終回。
本浦親子が三木に出会ってから、「秀夫」が生きてきた道。
切ない話だった。
村八分やいじめから逃れて、長い長い逃亡生活を過ごしてきた小さな秀夫にとって、お父ちゃんと、お父ちゃんがくれたピアニカが人生の全てだったんだろうなぁ。
三木に保護されて安堵したのもつかの間。
そのお父ちゃんが行ってしまい、三木の気遣いも空しくまた前のようにいじめられ始めたとき、「もう駄目だ」と思ったんじゃないかな。
お父ちゃんから「三木さんのところで待っていろ」と言われて、その言い付けを最初は守ろうと思ったんだろう。
でもお父ちゃんが帰ってくることは二度とないと感づいていただろうし、たとえ三木と奥さんが優しくしてくれても、やっぱり秀夫にとってお父ちゃんに変わるものではなくて。
いじめにしても、三木は耐えろと言っていたけど、あんな小さい子にそれは無理だ。
誰も自分を知らないところで生きたい。
そう思っても無理はない。
「和賀くん」に成り代わるときの目が怖かった。
やっとできた唯一の友達との突然の別れ、そしてその友達に成り代わることを思いついてしまった秀夫。
彼は、何度絶望すれば赦されるんだろう。
もっと「和賀くん」とのエピソードが見たかったけど、それを今西の口から語らせるのは無理があるし、ああいう風に流すしかなかったんだろうな。
最終的なあさみの扱いがさみしいと思ったけど、もっとさみしいのは綾香…婚約者なのにね。
前回楽屋から出ていけって言われたのが最後だし…
その辺の後日談が語られるかと思ったけど、一切なかった。
「僕と彼女と彼女の生きる道」の半年後は結構余計だと思っていたので、この方がよかったのかも。
「貴方が憎かった」と言った秀夫は、千代吉の前で三木を殺したことを告白し、千代吉の手を握った。
そのときやっと「本浦秀夫」に戻れたんだろうな。
絶対に会うことはできなかったはずのお父ちゃんとの再会は、切なくて。
何かが少しずつ違えば、世話になった三木を殺すこともなく、三木と共に会いに来れたかもしれない。
その何かが宿命なのかな。そんなの切なすぎる。
ものすごく感情移入して、号泣しながら見た最終回だった。
ドラマ全体としては途中ダレたところもあったし、微妙なところも結構あったけど、綺麗な映像とすごい音楽で、いいドラマに仕上がったと思う。
posted by snail at 12:37|
Comment(0)
|
TrackBack(1)
|
観
|
|